社会に分厚い中間層が存在することは社会の統合・安定の基礎的条件であり,
彼らが貧困層に転落しないようにするうえで,
防貧のセーフティーネットである社会保険の役割はきわめて重大である。
中間層が崩壊して国民の中に固定された貧困層が生じ社会的排除の対象となることは,
わが国社会の安定・統合を脅かすことに直結する。
近年顕著にみられる企業の社会的負担に対する回避傾向が続けば,
早晩,わが国の社会保険は弱体化し機能不全に陥るおそれがあるが,
このような社会保障の役割を考えれば,それはかえって企業にとって高くつくものとなるだろう。
格差が拡大し,新しい貧困層が生まれよとしている今日,
社会の統合や安定の基礎をなす社会保障,とりわけ社会保険はそれにどう対応すべきか。
私たちは,そのための費用負担の問題から目をそらすことなく,
その再構築に立ち向かうことを求められている。
放送大学教材 「市民生活における社会保険」 第15章 福祉国家の現在と社会保険 (堤修三著) より抜粋
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