かつて家族は,子どもたちにとって 『陰の友達』 であり,
家族は安全な隠れ場所としての機能を果たしていた。
ところがいま,家族という指摘領域までが学校的価値の浸透を受け,
わが子がどれだけ 『明るい良い子』 であるかを競い合う場に転化してしまった。
家族はその成員を,外部の社会関係や価値から遮断し,
プライベートを守るという意味での 『私的な空間』 としての性格を失ってきたともいってよい。
放送大学教材 「現代日本の教育課題」 ―21世紀の教育を求めて― 第7章 家族の変質「しつけ」の崩壊 (麻生誠著) より抜粋