アジアの風土と服飾文化  心に残った言葉 

日本では白は赤と組み合わせて慶事を,黒と組み合わせて弔事を表すが,
喪服に黒を使うようになったのは明治以降のことで,
それ以前の喪服は白あるいは,鈍色にびいろ(薄墨色)であった。

一方では,白が清浄無垢を表すことから,白無垢の婚礼衣装が装われてきた。
西洋でもウエディングドレスは白と決まっている。

日本の伝統文化では白の地位が高く,古来生成りを尊重してきた。
神社は白木で造られ,神事に仕える者の装束も白が多い。

対照的に,中国の歴史において白衣は無位無冠の者,役所の用務員,兵士など身分の低い者が着た。

韓国の人々は古くから精錬高潔なイメージを伝える白衣を好んで着たので, 「白衣民族」と呼ばれた。
今でも葬式や祭祀の際の衣装は白を主とする。

白は夏用,藍は冬用,あるいは,白は若い女性用,藍は年配の女性用と,
亜麻の生地の色を使い分けていたのが,パレスチナのラーマッラーの民族服のドレスである。
いずれにも,緻密なクロス・ステッチの刺繍が施された。

インドの男性服には白が多い。上衣に白いシャツ,下衣も白いドウティーの組み合わせが多く見られる。
涼しげでさわやかな白は,女性の色とりどりのサリーを引き立てている。

放送大学教材 「アジアの風土と服飾文化」 第11章 色 (道明三保子:田村照子共著) より抜粋


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